この記事は、美容師としての個人的な経験と観察にもとづいて書いています。
職場の悩みを解決する唯一の答えではなく、ひとつの見方として読んでいただけたら嬉しいです。

先輩にかわいがられる子って、やっぱり明るくて話すのが上手な子なのかな



自分は人懐っこいタイプじゃないから、損をしている気がする
アシスタントとして働いていると、そんなふうに感じることはありませんか。
同じように働いていても、
・よく声をかけてもらえる人
・練習を見てもらえる人
・困ったときに自然とフォローしてもらえる人
こうした違いを見ると、「やっぱり明るくて人懐っこい人のほうが得なのかな」と思いますよね。
でも、私が美容室で見てきた愛され力のある人は、明るくて話し上手な人ばかりではありません。
おとなしくても、先輩からきちんと教えてもらい、ヘルプを任されている人もいます。
その違いには、性格だけでなく、仕事中の伝え方や行動も関係していました。



この記事では、コミュニケーションや日々の振る舞いに表れる“関わりやすさ”を「愛され力」としてお伝えします。
また、教えてもらえない理由が自分の関わり方ではなく、サロンの教育体制や先輩側にある場合もあります。
そうした自分では変えにくい問題を見分ける目安も紹介します。
「教えてもらえないのは自分のせい?」と悩んだときに、自分にできることと、職場側の問題を分けて考えるための参考にしてください。
アシスタント美容師に愛され力は必要?


結論から言うと、アシスタント美容師に愛され力は必要だと私は思います。
ただし、それは誰からも好かれたり、先輩に気に入られたりすることではありません。
美容師の仕事は、技術だけでなく人とのやり取りも多い仕事です。
特にアシスタントのうちは、先輩に確認してもらったり、分からないことを聞いたり、ヘルプに入ったりしながら仕事を覚えていきます。
先輩との関係を築くのが上手な人は、
・自分がやりたいことを伝える
・分からないことを聞く
・できないことを隠さない
・必要なときには頼る
どれも特別なことではありませんが、こうしたやり取りが自然にできているように感じます。
本人がどこまで理解していて、どの部分でつまずいているのか、何も言わなければ先輩には分からないこともあります。
今の状態が伝わると、先輩も必要なアドバイスをしやすくなり、ヘルプを任せるときの判断もしやすくなるということです。
こうした小さなやり取りの積み重ねが、周りから見た「かわいがられている」「愛され力がある」という印象につながっているのだと思います。
愛され力は、先輩に媚びること?
「先輩にかわいがられる」と聞くと、「結局、媚びるのが上手な人が得なのでは?」と思うかもしれません。
先輩の意見に何でも合わせたり、嫌な誘いを断れなかったり、機嫌が悪くなるたびに必要以上に気を使ったりする。
確かに、そうすることで先輩から好かれる人もいると思います。
でも、ここでいう愛され力は、先輩の機嫌を取って気に入られようとすることではありません。
では、愛され力のある人は、仕事の中でどのような行動をしているのでしょうか。
私がアシスタント時代やスタイリストとして働く中で感じた「愛され力」のある人の5つの行動を紹介します。
愛され力がある人の5つの行動


1.やりたいことを言葉にしている
愛され力がある人は、小さな目標を立てて伝えています。
〇〇までに〇〇ができるようになりたいです。



「今月中にシャンプーに合格したいです」
今の自分に一番近い、小さな目標でいいと思います。
やりたいことが分かると、先輩も何を教えればよいのか考えやすくなります。
自分の中では目標があっても、何も言わなければ先輩には分かりません。
2.「やってみる?」と言われたときに、一度挑戦してみる
新しい仕事を任されそうになると、「失敗したらどうしよう」と怖くなります。



まだ自信がない。



怒られたくない。



もう少し練習してからにしたい。
そう思うと、その場ですぐに「やってみます」とは言いにくいですよね。
ヘルプに入れてもらいやすい人は、「やってみる?」と言われたときに、まず挑戦してみる人が多いように感じます。
実際に、以前勤めていたサロンのオーナーが、



ハナさんの良いところは、何でもやってみる姿勢!
※スタッフ名は仮名です。
と話していたことがありました。
当時の私から見ても、その先輩はほかのスタッフより、オーナーから一目置かれているように感じました。
もちろん、できないことまで「できます」と言う必要はありません。



やってみます



確認しながらでもいいですか?
このように、今の状態を伝えたうえで挑戦することもできます。
先輩が声をかけてくれたときに一度やってみる。
その積み重ねで、任せてもらえる仕事が少しずつ増えていくこともあります。
3.できていないことを伝えている
私自身は、教えてもらった技術ができるようになるまでに時間がかかるタイプでした。
技術を器用に習得できるタイプではなく、それなのに完璧を求めてしまう性格で、人の倍以上時間がかかることも。
真面目な人ほど、「迷惑をかけたくない」「もう少し自分でやってから聞こう」と、一人で頑張ろうとします。
今振り返ると、



「ここまではできるけれど、この部分でいつも詰まります」



「この動きが苦手なので、もう一度見てもらえますか」
このように、できていない状態を共有することも、教えてもらうために必要なコミュニケーションだったのだと思います。
もちろん、何でも丸投げするという意味ではありません。
「ここまでは自分でやってみたのですが、ここから分かりません」
「私はこうだと思ったのですが、合っていますか?」



自分で考えたところまで伝えてから頼ると、先輩も答えやすくなります。
4.教えてもらった後の行動
教えてもらったその場で「ありがとうございます」と伝えますよね。
愛され力のある人はその場だけで終わらず、あとからもう一度伝えていることがあります。



「前に教えてもらったところが、少し分かるようになりました。ありがとうございます」



「教えてもらったことを意識したのですが、ここがまだできません」



「もう一度見てもらってもいいですか?」
できた報告だけでなく、できなかったことを伝えてもよいと思います。
スタイリストになってから感じるのは、教えたことがどうなったのかは、意外と分からないということです。
技術の面では、一度教えただけでできるようになるとは思っていません。
でも、そのあと何も伝わってこなければ、練習しているのか、別のところでつまずいているのか、こちらからは見えないこともあります。
「前に教えてもらったところなんですけど」と声をかけてもらえれば、続きから一緒に考えられます。
5.先輩のお客様を大切にしている
これは、美容室ならではの大切な部分だと思います。
アシスタントは、スタイリストのお客様のシャンプーやカラー、ドリンク、片付けなどに入りますよね。
そのときに、
・ヘルプに入るお客様に丁寧に接する
・お客様の様子を見ながら施術する
・スタイリストが離れている時に気になることがあれば、伝える
・次の施術が進みやすいように準備する
こうした行動ができる後輩は、先輩から見ても安心して仕事を任せやすくなります。
そして、先輩のお客様を大切にする経験は、自分がスタイリストになったときにも役立ちますよ。
複数のお客様を並行して担当するようになると、自分が離れている間のお客様への声かけや、アシスタントとの連携が必要になります。
アシスタント時代に先輩のお客様と関わることは、自分でサロンワークを回す方法を学ぶ時間でもあると、私は思います。
「愛され力」があれば、理不尽にも耐えるべき?


人間関係は、一人の努力だけで決まるものではありません。
こちらが接し方を工夫しても、相手の伝え方や職場の雰囲気によっては、関係がよくならないこともあります。
何をしても怒鳴られる、無視される、理不尽な扱いが続く。
そんな状況まで「自分の関わり方のせいかも」と抱え込まなくて大丈夫です。
どんな接し方をしても傷つけられる環境なら、職場環境を見直すことも自分を守る選択肢だと思います。
今の職場を続けるか考える目安
次のような状態が続いている場合は、自分の関わり方ではなく、職場環境を見直したほうがよいかもしれません。
・質問しても無視される
・お客様の前で怒られたり、怒鳴られたりする
・カリキュラムや合格基準が決まっていない
・特定のアシスタントだけ指導や練習から外される
・教わっていない仕事を任され、失敗すると責められる
・店長や教育担当者へ相談しても改善されない
・眠れない、仕事へ行くのが怖いなど、心や体に影響が出ている
一つ当てはまっただけで、すぐに転職する必要があるという意味ではありません。
ただ、いくつも当てはまる状態が続き、この先も技術を学べる見込みがないなら、ほかのサロンと比べてみる段階だと思います。
美容室によって、練習時間やカリキュラム、指導する人、アシスタントへの接し方は違います。
求人を見るだけでなく、専門のエージェントを活用して教育体制まで確認しておくと、今の職場との違いを判断しやすくなりますよ。


まとめ
愛され力がある人と聞くと、「明るい人」や「人懐っこい人」を思い浮かべるかもしれません。
でも、愛され力は性格だけで決まるものではありません。
・今できるようになりたいことを伝える
・声をかけてもらったときは、今の状態を伝えて挑戦してみる
・できないことや、つまずいている場所を隠さない
・教わったあとは、できたことも、できなかったことも伝える
・先輩のお客様を大切にし、営業が進みやすいように動く
こうした行動は、先輩に気に入られるためではなく、美容室で周りと連携しながら仕事を覚えるためのものです。
ただし、ここまで意識しても、教えてもらえるかどうかは先輩との相性やサロンの教育体制にも左右されます。
すべてを自分の関わり方のせいにする必要はありません。
まだ試していないことがあれば、「小さな目標を伝える」「できないところを具体的に聞く」など、今の自分にできそうなことを一つ選んで試してみてください。










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